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加齢による血清脂質の上昇

どんなに気をつけていても、歳をとるにつれて体は衰えていくものです。肝臓の機能も例外ではありません。年齢とともにLDLリポたんぱくを細胞にとり込むLDL受容体の働きが低下し、血液中の中性脂肪やコレステロールといった血清脂肪はふえてきます。また、LDLを酸化させることで活性酸素(フリーラジカル)を処理する能力も、年齢とともに衰えていきます。

・男性は三十歳からが要注意

男性の血清脂質は、普通、30歳ぐらいまではあまり上昇しません。ところが、30歳をすぎるころから中性脂肪やコレステロールが急にふえはじめるのです。そしてさまざまな病気の危険性がぐんと高まってきます。

・女性は閉経後が要注意

女性の場合は、五十歳前後、つまり閉経期を迎えるあたりで急に血清コレステロールの値が高くなってくる傾向があります。これには、女性ホルモンの一つ、エストロゲンの減少が関係しています。女性ホルモンには、LDLリポたんぱくを細胞にとり込むLDL受容体をふやす働きがあり、それによって体内でのLDLの処理を円滑に行っています。けれど、閉経後は女性ホルモンの分泌が少なくなるので、その処理能力が低下し、血清脂質がふえてしまうのです。
加齢による血清脂質の上昇を少しでも回避するためには、脂質をとりすぎない食事、適度な運動を心がけるしかありません。