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アルコールの落とし穴

アルコールには、血行をよくし、食欲を増進させ、善玉コレステロール(HDL)をふやす効果があります。さらに、ストレスや心身の疲労を解消したり、人間関係を円滑にする効果もあることから、「酒は百薬の長」といういい方もうなずけます。
しかし、それもたしなむ程度であれば、という条件つきです。飲み方や量を誤ると、とたんに害のあるものに豹変してしまいます。

●アルコールは中性脂肪とVLDLをふやす

アルコールを飲みすぎると、肝臓での中性脂肪の合成が促進され、VLDLやLDLといった悪玉コレステロールをふやします。そうやって血中にVLDLがふえると、カイロミクロンも分解されにくくなり、血清トリグリセライド(中性脂肪)の量もふえます。それでもアルコールを飲み続けると、過剰になった中性脂肪は肝臓へとたまりはじめます。

●飲みすぎはカロリーのとりすぎにつながる

アルコールの原料は麦や米などの穀物ですから、カロリーも決して低くはありません。
体内に入ったアルコールは、1グラムで約5キロカロリーのエネルギーになります。ご飯のカロリーに置き換えると、ビールの大ピン一本は、ほぼ一膳半分に相当します。飲んべえといわれる人は、決してビール一本では満足しませんから、摂取エネルギーは過剰になり、肥満へとつながっていきます。それ以外にも、さまざまな病気を抱え込むことになりかねません。

●酒のつまみには高カロリー食品が多い

アルコールの刺激はとても強く、すきっ腹で飲むと胃の粘膜を荒らすので、先に何かを食べてから飲むほうがいいでしょう。「つまみ」には、そういう健康上の役割があります。
ところが、このつまみにもまた、問題はあります。アルコールをよく飲む人には、塩辛やから揚げなど、塩辛いものや脂っこいものを好む傾向が強いのです。それらはどれも、より一層、コレステロールや中性脂肪をふやします。
飲みすぎを慎むのはもちろんですが、つまみも高脂肪、高カロリーのものを避けるようにしたいものです。